やまねこ翻訳クラブ注目の未訳書 邦訳出版情報
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『穴』HOLES ルイス・サッカー/作 幸田敦子/訳 カバー、扉イラスト/出久根 育
*表紙の画像は、出版社の許可を得て使用しています。
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めちゃくちゃ面白かった! いやあ、英語、読めてなかったなあと思ってしまうくらいです。ひとつには、原書で読み始めたとき、まったく予備知識がなかったので、はじめシリアスな少年犯罪ドラマなのか、という思いこみがあったということもありますが……。 でも、いいわけですね。わたしが「淡々とした文章」と思いこんでいた原文の中から、幸田さんはみごとにユーモアをすくい取って、訳していらっしゃいます。そうかそうか、こんなに一行ごとにおかしみにあふれた本だったのか! と、目からうろこがぼろぼろ落ちました。 それから、この『Holes』っていう作品自体、繰り返して読むと、面白いのかもしれないですね。以前に気づかなかった伏線に気づいたりして。 結局運命に翻弄されているじゃないか、と、前に読んだときには思っていたのですが、身を任せるところから逆に活路が開けていくっていうのが面白いんだ、と思うようになりました。「穴」というもの自体が、運命の象徴でもあるんですね。だから、びっくりするようなタイトルだけど、やっぱりこれしかないでしょう! と思ったのでした。(BUN) おもしろかった! 実は皆さんの感想を読みながら痛快な物語を想像していました。ちょうど、最近「痛快な物語」を読んでいないなあ、「痛快」こそ児童文学の重要なキーワードでは、と考えていたところだったのですごく期待していましたが、それはちょっと違っていました。 おもしろかったのは、なによりもよく練られている物語だったからです。最後にジグソーパズルがピタリとはまって一枚の絵になるような感じ。読む前にはごちゃごちゃして見えた装幀も、読み終わってみるとひとつひとつの絵が大切なピースであることがよくわかります。 今年の新刊を振り返りながら、児童書にも確実に「癒しブーム」があるなあと感じているのですが、この本も読後感は「すっきり爽快」というより「なんかほっとしちゃった」というものでした。(わんちゅく) |
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