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月刊児童文学翻訳

─2000年3月号(No.18 情報編)─

※こちらは「情報編」です。「書評編」もお見逃しなく!!

児童文学翻訳学習者による、児童文学翻訳学習者のための、
電子メール版情報誌<HP版>
http://www.yamaneko.org/mgzn/
編集部:[email protected]
2000年3月15日発行 配信数1,530


「どんぐりとやまねこ」

     M E N U

◎特集1
「遊学館」って、どんなところ?

◎特集2
海外の児童書の新刊情報を手に入れよう!

◎展示会情報
アートガーデン川崎「エリック・カール絵本原画展」、他

◎セミナー・講演会情報
絵本・児童文学研究センター第12期生募集、他

◎世界の児童文学賞
第9回 エスター・グレン賞/ラッセル・クラーク賞



特集1

―― 「遊学館」って、どんなところ? ――

 

 去る3月5日、山形県山形市にある「遊学館」で、第9回外国絵本翻訳コンクール受賞者の表彰式が行われた。国内で行われる絵本翻訳コンクールでは、翻訳学校のバベルとならんで広く知られている遊学館だが、いったいどのような団体なのかご存じない方も多いのでは。コンクールを主催している山形県生涯学習センターの鎌戸さんにお話をうかがった。

 

★ 〜遊学館の成り立ち〜

 遊学館は、山形県民の生涯学習を積極的に推進するため、山形県生涯学習センター、県立図書館、放送大学山形学習センターが一体化した複合施設で、平成2年度にオープンした。県立図書館では、外国絵本の原書を約3,000冊揃えており、さまざまな学習活動に利用されている。

 「遊学」のもとの意味は「よその土地へ行って学習すること」だが、「ゆとりをもって学ぼう」「よく学び、よく遊べ」との願いを込めて命名された。


★ 〜コンクールを始めたきっかけ〜

 遊学館を立ち上げた際、生涯学習センターと図書館が一体となった事業を行いたいとの考えから、双方に共通する翻訳コンクールを開催することになったという。当初は全くの手探りで始めたコンクールだったが、第1回から1,000通近い応募があり、その後も応募数は平均約3,000通に上っている。毎回、全都道府県のみならず、海外からの応募も多数あることから、遊学館の翻訳コンクールが世間に広く認知されていることがうかがえる。また、応募者の男女比は1:9で女性が圧倒的に多いとのこと。応募者の年代は小学生から高齢者までと幅広い。夏休みの課題として学校単位で応募してきた高校もあるそうだ。


★ 〜審査の流れ〜

 毎年9月末に応募を締切ると、10月から11月末にかけて金山等氏(英米文学研究家、岩手県立大学教授)を座長とした審査委員会(県内の中学・高校の英語教諭及び元通訳者を中心とした15名)が、金山氏の作成した審査基準をもとに第1次審査を行う。そして1月末に、金山氏、掛川恭子氏(翻訳家)、神宮輝夫氏(児童文学研究家、白百合女子大学教授)、吉田新一氏(児童文学研究家、立教大学名誉教授)の4名の選考委員が最終審査を行い、入賞者を決定するとのことだ。


★ 〜今回のコンクールに関して〜

 今回の応募総数は3,414点("Smudge" 2,151点、"PUDDLES" 1,263点)。そのうち、1次審査に通ったのは、"Smudge"が39名、"PUDDLES"が35名。最終審査の結果、17点が入賞した(最優秀賞各1名、優秀賞各2名、佳作"Smudge"5名、"PUDDLES"6名)。今回は男性2名が入賞を果たしたが、女性の割合が圧倒的に多いこのコンクールでは大変めずらしいことだったようだ。

 

【"PUDDLES"で優秀賞を受賞された吉崎泰世さんの授賞式レポート】


 3月5日、今日は遊学館の外国絵本翻訳コンクールの表彰式です。"PUDDLES"で応募したわたしは、幸運にも優秀賞をいただき山形へ向かうことになりました。東京駅8時36分発の「つばさ」に乗り約2時間半。山形はよく晴れていて、心がいっそう浮き立ちます。遊学館に一歩入ると、広々とした吹き抜けのホールになっていて、その奥に図書館が続いています。壁で仕切られていないので、開放的でとても明るい雰囲気でした。式が始まる1時40分までにはまだ時間があったので、ちょっと入ってみることにしました。

 2階の児童資料コーナーには、今までのコンクール課題作品の棚があり、原書と翻訳本がずらりと並んでいました。原書と訳文を照らし合わせることができ、とても興味深かったです。絵本の蔵書も多く、コンクールを主催されるだけあって、原書もたくさんありました。児童書や研究資料も充実しており、ゆっくり見ていたかったのですが、残念ながら時間切れです。

 表彰式は3階の特別会議室において行われました。入賞したのは実際には17名ですが、今日式に出席したのは、代理も含め11名でした。式場には、すでに選考委員の金山先生始め遊学館の副館長、紀伊國屋書店の安藤部長、遊学館事務局の方々がいらっしゃり、わたしたちが席につくと、まず事務局の方から選考経過についてお話がありました。その後一人ずつ名前を呼ばれ、賞状と副賞をいただきました。

 次に、選考委員の金山先生から講評がありました。全般的な講評だけでなく、出席した受賞者一人一人へも講評してくださり、これには感激しました。"Smudge"の最優秀賞者の平田さんへの講評は「書き出しにテンポがあってうまく、全体として少ない言葉でまとまった訳になっている」、また"PUDDLES"の最優秀賞者の大坪さんへは「出だしに緊張感がないが、全体として簡潔な文で、ミスが少ない」とのことでした。ちなみにわたしへの講評は、「オノマトペの処理に問題があるが、勢いよくたたみかけるような調子でおもしろい」とのことでした。

 わたしはこの作品を訳すにあたり、何もかもが輝いて見える雨上がりの朝にはしゃぐ子供たちを、とにかく元気よく表現しようと心がけました。先生方もそこを評価してくださったようで嬉しかったです。また、これは応募者全員にいえることだそうですが、"PUDDLES"は散文詩的でとてもリズミカルな作品なので、原文の雰囲気を反映させようとするあまり、訳文に無理が出ている人が多かったとのご指摘も受けました。

 表彰式の方はこの後、記念撮影を行ってひとまず終了しました。それからマイクロバスでホテルキャッスルへ向かい、いよいよ楽しい受賞パーティーの始まりです。粉砂糖をまぶしたような美しい山並みを眺めながら、豪華なフランス料理をご馳走になりました。乾杯の後、自己紹介をさせられ、ちょっぴり緊張しましたが、これで場が一気に盛り上がり、会話が弾むようになりました。受賞者の中には常連さんが何人かいらっしゃり、なんとこれが4回目という方も! 金山先生は気さくな方で、席が近かったため色々お話してくださり、わたしは感激しっぱなしです。遊学館の方や紀伊國屋書店の方からも裏話が出て、入賞したからこそこんな話も聞けるのだと、あらためて嬉しさがこみ上げてきました。今年の課題は今検討中だとのことです。どんな課題になるのでしょう。楽しみですね。

 

 現在、遊学館のホームページでは、今回の入賞者名と金山氏の講評が掲載されている。次回「第10回外国絵本翻訳コンクール」の課題作品発表は5月上旬の予定。

 

「遊学館」
山形県生涯学習センター

住 所:〒990-0041 山形県山形市1丁目2−36
電 話:(023)625-6411  FAX:(023)625-6415

(取材・文 横山和江)

 

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特集2

―― 海外の児童書の新刊情報を手に入れよう! ――

 

 自分で訳したくなるような「未訳」の洋書を探したい――それには新しい本の情報をいち早く入手するか、邦訳の出ていない古い作品をチェックするしかない。そこで今回は、海外の児童書の新刊情報を手に入れる方法をいくつかご紹介しよう。

 

◆書評誌を活用する◆

 児童書の情報収集には、やはり児童書専門の書評誌を見るのがいちばん。ここでは英語圏で発行されているものを中心に挙げてみよう。

●The Horn Book Magazine ―アメリカ―●

【発行周期】 隔月刊
【購読料】 年間6冊$44.95(送料込)
【申込先】 The Horn Book Inc.

 The Horn Book Magazineは、アメリカの児童書書評誌。毎回絵本と読み物あわせて50〜60冊の本のあらすじと批評が掲載される。アメリカで出版される児童書の最新情報を手に入れたければ、まっ先にチェックすべき雑誌だ。

 2か月に1度ホーンブックが届くと、私はまずざっと★マークつきの作品と、名前を知っている作家のものに目を通す。テーマに興味をひかれたらとりあえずチェック。絵本なら、絵が気に入ったものにも印をつけていく。あとは、印をつけた本の中で、特に気になるものをインターネット書店で取り寄せる。どれにするかあれこれ悩むのもまた楽しい。

 エッセイやコラムも読みでがある。ニューベリー賞やコールデコット賞といった、権威ある児童文学の受賞スピーチを読めるのも大きな特徴だ。

(内藤)

 

●Books for Keeps ―イギリス―●

【発行周期】 隔月刊
【購読料】 年間6冊£24.50(送料込)
【申込先】 Books for Keeps
6 Brightfield Road, Lee, London SE12 8QF, UK
Tel:+44 181 852 4953 Fax:+44 181 318 7580
E-mail:[email protected]

 Books for Keepsはイギリスを代表する児童書書評誌。カラー入りA4判30ページほどの冊子は、一見ぺらぺらだが侮ってはいけない。中身はぎっしりとつまっている。

 特にレビューコーナーは必見。毎回80冊前後の作品が紹介される上、そのすべてに★マークで表す5段階評価がついている。対象年齢別に、5歳以下、5〜8歳、8〜10歳、10〜12歳、12歳以上の5つに分類されているので、目的のものも探しやすい。表紙や挿絵の写真もふんだんにあり、特に絵本を選ぶときには参考になる。

 なかなかユニークなのが、毎号恒例のインタビュー記事。作家や画家に話を聞くところまでは普通だが、インタビュアーも作家、画家、編集者、教師等、ゲストが務める。他にも、特集記事、ニュース、ベストセラーチャート、賞の下馬評などがあり、なんと裏表紙まで、『星の王子さま』といった古典児童書のレビューで埋まっている。

(田中)

 

●READING TIME ―オーストラリア―●

【発行周期】 季刊
【購読料】 年間4冊 船便A$50.00、航空便A$60.00(送料込)
【申込先】 The Secretary, Reading Time
PO Box 62 Ashmont NSW 2650, Australia
Tel/Fax:+61 269 254 907
【関連サイト】 http://cbc.org.au/

 READING TIME は、The Children's Book Council of Australia(CBCA)の機関誌。オーストラリアでは子どもの本の書評誌としてよく知られている。英語圏の作品全般を扱っているが、やはりオーストラリアとニュージーランドの作家・画家のものが多い。本選びの際は、レビュー執筆者が推薦の本につけるおすすめマークが参考になる。CBCAが選考するオーストラリア児童文学賞の時期には、候補作品リストや結果報告、受賞者の言葉なども載るので見逃せない。CBCA会員以外でも購読可。

(田中)

 

 ●Bookbird ―世界各国―●

【発行周期】 季刊
【購読料】 年間4冊¥6,000(送料込)
【申込先】 (社)日本国際児童図書評議会事務局
〒162-0828 新宿区袋町25-30-203
Tel:03-5228-0051 Fax:03-5228-0053
※詳しくは直接事務所まで
【関連サイト】 http://www.ibby.org/

 Bookbirdは、IBBY(国際児童図書評議会――世界64か国加盟)が発行する子どもの本の研究・情報誌。アメリカで編集される英語の雑誌ながら、非英語圏の話題も多く、毎回、特集テーマをめぐって世界各国から記事が寄せられる。例えば、1999年冬号では北欧諸国の特集が組まれた。どちらかというと論文的な記事が目立つが、ふだん取り上げられることの少ない国々についての情報は貴重だ。

(内藤)

 

◆メールサービスを利用する◆

 児童書関連の情報を無料で入手できる電子メールサービスもぜひ利用したい。

ACHUKA

 イギリスの児童書情報を知りたいなら、まずはここへ! ニュースレターを申し込めば、サイトの更新情報や英米児童書界の最新ニュースを、電子メールで手短に教えてくれる。


Amazon.com

 洋書のインターネット販売でおなじみのアマゾン。おすすめの児童書のあらすじや作家インタビューなどを載せたメールを、10日に1回ぐらいの割合で届けてくれる。


TRC 図書館流通センター

 海外の新刊情報とは関係がないが、日本の新刊情報を毎週リストで配信してくれるので、自分が目をつけていた作品の邦訳が出版されたかどうかをすばやくチェックできる。

(宮坂)

 

※この記事は、『翻訳の世界』(バベル・プレス刊)1999年8月号に、やまねこ翻訳クラブ会員が寄稿した記事をまとめ、修正したものです。

(内藤文子 田中亜希子 宮坂宏美)

 

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展示会/セミナー・講演会情報

―― 展示会情報 ――

 

◎アートガーデン川崎「エリック・カール絵本原画展」
所在地: 神奈川県川崎市川崎区駅前本町12−1 川崎駅前タワー・リパーク3F
電 話: 044-200-1415
会 期: 平成12年3月23日から4月9日まで
休館日: 月曜日
入場料: 大人600円 中学生以下無料
内 容: 『はらぺこあおむし』『ごきげんななめのてんとうむし』などの作者として知られるエリック・カールの絵本原画展。
 
◎いわさきちひろ美術館「1990年代の日本の絵本展」
所在地: 東京都練馬区下石神井4−7−2
電 話: 03-3995-0820
会 期: 平成12年2月11日から4月16日まで
休館日: 月曜日
入場料: 大人500円 中高生200円 小学生100円
内 容: 90年代を代表する22人の絵本作家の絵本23冊とその原画約100点を展示。原画の絵本のほか約150冊の絵本を自由に読めるコーナーもある。

(瀬尾友子)

 

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―― セミナー・講演会情報 ――

 

◎絵本・児童文学研究センター 第12期生募集
講 師: 工藤左千夫、河合隼雄 他
期 間: 平成12年5月より2年半(全54回)
募集数: 受講会員 50名、通信会員 30名
受講料: 受講会員 入会金 6,000円 月会費 4,000円 冬期暖房費要
通信会員 入会金 6,000円 月会費 9,200円(ビデオ郵送料込)
内 容: 生涯教育の一つとして、多様な児童文化の世界を、心理学、哲学等の観点からも含めて幅広く学ぶ。
問合せ: 絵本・児童文学研究センターまで(4月20日募集締切)
(北海道小樽市長橋3-1-2 TEL 0134-27-0513 FAX 0134-29-4624)
参 考: http://www.ehon-ej.com/
 
◎クレヨンハウス 子どもの本の学校講座「お初の気分で会う」
講 師: 工藤直子
場 所: クレヨンハウス(東京 港区北青山3-8-15 大阪 吹田市江ノ木町5-3)
日 時: 東京 平成12年4月8日 大阪 平成12年4月15日(いずれも土曜)16:00〜17:30(15:30開場)
参加費: 非会員 2,500円 会員は無料(年会費に含まれる)
問合せ: クレヨンハウス(東京 03-3406-6492 大阪 06-6330-8071)
内 容: ヒトや物や風景とお初の気分で会うのが好き、という詩人の工藤直子さんが、うたや物語の誕生秘話を語る。
その他: 非会員は、当日の朝11時から子どもの本売場にて販売される当日券を購入。全席自由。会員のみで定員に達した場合は立ち見になることもあり。
 
◎東京子ども図書館 Tea&Talk「スーホの故郷、モンゴルに魅せられて」
お 話: 宇田祥子(モンゴル師範大学日本語講師)
日 時: 平成12年4月14日(金)14:00〜16:00
内 容: お話の語り手でもある宇田氏による、うそのような不思議が生きている国モンゴルについての楽しいお話。
詳 細: http://www.litrans.net/maplestreet/tklib/index.htm
 
◎絵本の国際シンポジウム "READING PICTURES: ART, NARRATIVE & CHILDHOOD"
場 所: 英国ケンブリッジ市 ケンブリッジ大学ホマトンカレッジ 他
期 間: 2000年9月1日(金)〜4日(月)
内 容: 絵本作家、学者、教育者、図書館員ほか、絵本を愛する人たちが世界中から集まり、絵本について様々な角度から意見交換・ディスカッションを行う。
詳 細: http://www.homerton.cam.ac.uk/

(中野伊都子)

 

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世界の児童文学賞 第9回

―― エスター・グレン賞/ラッセル・クラーク賞 ――
ニュージーランドの二大児童文学賞

 

■概要
 名 称 : エスター・グレン賞/ラッセル・クラーク賞
(Esther Glen Award/Russell Clark Award)
 対 象 : ニュージーランド国籍もしくは居住の作家/画家
 創 設 : 1945年/1976年
 選 考 : The Library and Information Association of New Zealand Aotearoa*
(LIANZA:ニュージーランド・アオテアロア図書館情報協会)
関連サイト: http://www.lianza.org.nz/

*Aotearoaは、マオリ語でニュージーランドのこと。

 

 エスター・グレン賞は、ニュージーランドの著名な児童文学作家・編集者であるエスター・グレンの名にちなんで1945年に設立された権威ある児童文学賞。一般書の主な文学賞は1960年代に設けられているため、同国で最も古い歴史を持つ文学賞のひとつでもある。

 ラッセル・クラーク賞は、1976年、同国出身の画家であるラッセル・クラークの業績を記念して創設された。絵本もしくは読み物の挿画で、「作品世界をじゅうぶんに表現している」絵を描いた画家に贈られる。

 候補作の選考は、LIANZAに任命された各3名から成る選考委員会(ラッセル・クラーク賞では絵の専門家1名を含む)によって行われる。受賞作は、選考委員の推薦を受けて協会長および評議委員会が最終的に決定するが、選考にあたっては学校や図書館などで聞かれる子どもの感想も反映されるよう、慎重な調査が行われている。

 


■過去の主な受賞作家

<エスター・グレン賞>

◎マーガレット・マーヒー Margaret Mahy
 同国を代表する児童文学作家だけあり、過去5回の受賞歴がある。82年の"The Haunting"(『足音がやってくる』/青木由紀子訳/岩波書店)、85年の"The Changeover"(『めざめれば魔女』/清水真砂子訳/岩波書店)では、イギリスのカーネギー賞も受賞。
◎モーリス・ジー Maurice Gee
 86年"Motherstone"、95年"The Fat Man"で受賞。邦訳は一般書に『プラム』("Plumb"/百々佑利子訳/サイマル出版会)、児童書に『惑星Oの冒険』("The Halfmen of O"/百々佑利子訳/岩波書店)などがある。非核国家ニュージーランドの「良心」を真摯に描く作家として内外に評価が高い。

<ラッセル・クラーク賞>

◎パメラ・アレン Pamela Allen
 86年"The Lion in the Night"(『まよなかにきたライオン』/こだまともこ訳/三起商行)で受賞。邦訳は他に『おとぼけマッギーさん』("Mr. McGee"/さかいきみこ訳/偕成社)など。現在はオーストラリアに居住しており、オーストラリア児童文学賞絵本部門でも受賞歴がある。
◎ガビン・ビショップ Gavin Bishop
 82年"Mrs. McGinty and the Bizarre Plant"で受賞。邦訳に『きつねおくさまのごけっこん』("The Wedding of Mistress Fox"/グリム兄弟原作/江國香織訳/講談社)、『こうさぎのうみ』("Little Rabbit and the Sea"/大和和紀訳/講談社)など。高校の美術教師を務めるかたわら、同国を代表する絵本画家として活躍している。

(森 久里子/植村わらび)

 

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やまねこ翻訳クラブ(会員数179名)


  やまねこ翻訳クラブは、海外の子どもの本に関する情報交換、翻訳・シノプシス自主勉強会などを行っている児童書専門サークルです。翻訳と子どもの本に興味のある方でしたらどなたでも入会できますので、ぜひお気軽にご参加ください。

――ニューベリー賞読破マラソン開催中!――


出版翻訳ネットワーク・メープルストリート

新刊情報・イベント情報などを掲載いたします。
詳しくは[email protected]まで


●お詫び●

 今月号より『月刊児童文学翻訳』の配信を「まぐまぐ」へ一本化するにあたり、「Macky!」をご利用のみなさまへお知らせメールを送信した際、一部の方へ大変なご迷惑をおかけいたしました。謹んでお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。

(月刊児童文学翻訳 情報編 編集長 宮坂宏美)


●編集後記●

 最近、やまねこ翻訳クラブから絵本翻訳コンテスト受賞者が続出し、うれしい悲鳴をあげています。みなさんも、いっしょに勉強してみませんか?(み)


発 行: やまねこ翻訳クラブ
発行人: 森久里子(やまねこ翻訳クラブ 会長)
編集人: 宮坂宏美(やまねこ翻訳クラブ スタッフ)
企 画: 河まこ キャトル くるり 小湖 Chicoco どんぐり BUN ベス YUU りり ワラビ MOMO つー さかな こべに みーこ きら Rinko SUGO わんちゅく みるか
協 力: @nifty 文芸翻訳フォーラム
小野仙内 ながさわくにお タイ


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