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※こちらは「情報編」です。「書評編」もお見逃しなく!!
児童文学翻訳学習者による、児童文学翻訳学習者のための、
M E N U
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特別企画 |
―― レビューを書く (翻訳学習者編) ――
翻訳学習に欠かせないのがシノプシスを書く訓練だ。本をたくさん読み、そして読ませるシノプシスを書くことは、翻訳家デビューに向けて必須だろう。本誌でも1999年3月号情報編にて、「シノプシスの書き方 徹底研究」と題し特集を組んだ。今回は、そのシノプシスを書くときにも役に立つ「レビュー」について、やまねこ翻訳クラブに入って2年の翻訳学習者であるわたしが考えてみた。
◆ブック・レビューって何だろう
ブック・レビューとは、本の内容を紹介するための文章だ。レビューあるいは書評ともいわれる。発表される場によってねらいが異なるため、書き方や形式はさまざまだ。まずはレビューがどんなところに発表されているかを見てみた。
たとえば原書を買うとき、オンライン書店のレビューを参考にする方も多いと思う。原書はまだまだ手にとって選ぶチャンスが少ないので、オンライン書店のレビューは、購入を決めるときの大きな目安となる。
新聞や雑誌の書評欄はどうだろうか。作家や評論家が執筆しているものが多く、自分の好きな作家がどんな本をとりあげて、どんなふうに論じているかが気になる。
その他としては、オンライン上にたくさんある、読書サイトや書評サイト。こちらは選書や切り口にサイトオーナーの特色がでていて、ひいきにしているサイトがある方も多いと思う。また本誌をはじめとする書評のメールマガジンも数多く配信されている。
★レビューをかいてみる
レビューの書き方に決まりはあるのだろうか。誰でも投稿できるアマゾン、bk1、YAHOO! Books
などのオンライン書店にある、レビューを書く際の注意書きを読み比べてみた。
共通してレビューに求められているのは、「本の内容を紹介する」、「決定的なあらすじを明かすのは避ける」ということだ。書店としては、本を購入するかどうかを決める目安となる書評が望ましいのだから、あらすじをあまりにも詳細に書いてしまうと、レビューを読んだ人がその本を「読んでみたい」という気をそがれるので逆効果になってしまう。やまねこ翻訳クラブでも、レビューでは基本的に「決定的な筋を明かさない」というルールがある。それを踏まえてここでは、わたしがレビューを書くときの注意点をまとめてみた。
・本をじっくり読む ・調査 ・あらすじをまとめる ・レビューの要、感想・評価を書く ・引用と著作権 ・レビューを保存する |
思いつくまま、書き出してみたが、どこにレビューを発表するかによって、書き方は変わってくる。毎回全部に注意して書いているわけでもない。書くときに一番大切なのは、「この本おもしろかったから読んでみない?」と人に薦めたいという気持ちではないだろうか。
★翻訳学習者にとってのレビュー
初めてやまねこ翻訳クラブのシノプシス勉強会に参加し、他の方のシノプシスを拝見してわかったのは、類書をあげたり、同じ作者の本との比較をしたりしてこそ、作品の評価ができるということだった。原書も訳書もたくさん読んでいれば、他の作品との比較ができるし、日本で受け入れられるかどうかの判断もできる。原書のレビューを書くことは、原書を読んであらすじや感想をまとめるシノプシスを書くことにつながる。また、原書でも訳書でも、レビューを書くことで、まだその本を読んでいない第三者に、主観的な感想を、客観的な表現で伝える訓練になる。「たくさん読んで、たくさん書く」を実践するのに、レビューを書くことは、楽しみながらできる効果的な方法ではないだろうか。そして、書いたら誰かに読んでもらうと、得るものも多いはずだ。どこに発表したらいいか迷う方は、ぜひやまねこ翻訳クラブの「読書室掲示板」をのぞいてみてほしい。新刊情報や原書情報があるうえ、同じ本を読んだ仲間も見つかるかもしれない。
レビューを1度書いて発表すると、また書きたくなる。今回はレビュー書きのほんの一例を書き出してみた。ところで、みなさんはいったいどれくらい本を読み、どんなところに気をつけてレビューを書いているのだろう。機会があればより多くの方にレビューの書き方をうかがってみたい。
(竹内みどり)
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コンテスト/展示会/セミナー・講演会情報 |
―― 展示会情報 ――
◎絵本の樹美術館「川端誠 絵本原画展」 | |
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所在地: | 山梨県北巨摩郡大泉村西井出字石堂8240-4579 |
電 話: | 0551-38-0918 |
会 期: | 平成15年11月24日(月)まで |
休館日: | 水曜日、木曜日 |
入場料: | 一般700円 3歳以上中学生以下300円 10名以上の団体は1人50円引き |
内 容: | 『ばけものつかい』と『めぐろのさんま』より全点、『じゅげむ』と『おにのめん』(いずれもクレヨンハウス刊)より数点を展示。 |
参 考: | http://www.cam.hi-ho.ne.jp/g-mama/kawabata.html |
◎軽井沢絵本の森美術館「夕と暁と夜の絵本展―物語を流れる時をめぐって―」 | |
所在地: | 長野県北佐久郡軽井沢町塩沢182-1 第2展示館にて |
電 話: | 0267-48-3340 |
会 期: | 平成16年1月12日(月)まで |
休館日: | 火曜日、1月1日 |
入場料: |
一般700円 高校生・中学生500円 小学生400円 各種割引あり (http://www.museen.org/ehon/info/info.html) |
内 容: | 絵本を流れる時間に注目し、絵本原画を夜・昼・朝・夕に分類して展示。物語を流れる「聖なる時間」と「俗なる時間」を考察する。なお、第1展示館にて「新・欧米絵本のあゆみ」展および「この本のエピソード」展を同時開催。 |
参 考: | http://www.museen.org/ehon/news/news.html |
◎安曇野絵本館「アートな絵本の世界展 7人のクリエーターたち」 | |
所在地: | 長野県南安曇郡穂高町有明2186-117 |
電 話: | 0263-83-6173 |
会 期: | 平成16年1月4日(日)まで |
休館日: | 火曜日(祭日の場合は翌日)、1月1日 |
入場料: |
一律700円(ドリンク付き) ※約20名以上の団体及び未就学児は入館できないのでご注意ください。 (詳しくはこちらを参照 http://www.ehonkan.net/profile.html) |
内 容: | ジョン・バーニンガムやリスベス・ツヴェルガーなど、著名な絵本作家7名の原画を紹介する。 |
参 考: | http://www.ehonkan.net/present.html |
(笹山裕子/清水陽子)
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―― セミナー・講演会情報 ――
◎クレヨンハウス 子どもの本の学校「えほん丘のなかまたち」 | |
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講 師: | いわむらかずお(絵本作家) |
場 所: |
クレヨンハウス東京店(東京都港区北青山3-8-15) 劇団ひまわりビル(大阪府吹田市江坂町1-18-2) |
日 時: | 東京 平成15年12月6日(土) 大阪 12月13日(土) 16:00〜17:30 |
参加費: | 2500円(会員は無料) |
内 容: | ピーターラビットの作者ポターを取り上げる学会の一部。一般の参加も可。 |
定 員: | 東京 120名 大阪 120名 |
問合せ: | 東京店(TEL 03-3406-6492) 大阪店(TEL 06-6330-8071) |
その他: | 非会員は、当日の朝11時から子どもの本売場にて販売される当日券を購入。会員のみで定員に達した場合は立ち見になることもあり。 |
詳 細: | http://www.crayonhouse.co.jp/kodomo-kouen.htm |
◎梅花女子大学・大学院児童文学会 秋季学術講演会「絵本の力」 | |
講 師: | 松居直(児童文学家) |
場 所: | 梅花女子大学 山草館 F701教室(大阪府茨木市宿久庄2-19-5) |
日 時: | 東京 平成15年12月6日(土) 13:00〜14:30(受付は、10:00より) |
参加費: | 無料 |
申込み: | 不要 |
問合せ: | 梅花女子大学児童文学科事務室へ、TEL(072-643-6221)/FAX(072-643-7997)/E-mail([email protected])のいずれかにて。 |
◎国際子ども図書館・JBBY共催 国際シンポジウム「国際アンデルセン賞の軌跡」 | |
講 師: |
第1部《同時通訳付き》エイダン・チェンバース(2002年作家賞受賞者)、リーナ・マイセン(IBBY前事務局長)、J・ヒール(前2回審査委員長) 第2部《モデュレーター》島多代(IBBY前会長) |
場 所: | 東京国立博物館平成館大講堂 |
日 時: | 東京 平成15年12月1日(月) 13:00〜17:00 |
参加費: | 無料 |
申込み: | 国際子ども図書館へ来館のうえ予約するか、往復はがき(宛て先は、下記の問合せを参照)、または E-mail([email protected])で申し込む。住所、氏名、年齢、電話番号、希望人数を明記すること。 |
問合せ: |
国際子ども図書館企画協力課企画広報係 〒110-0007 東京都台東区上野公園12-49 TEL(03-3827-2053) |
(早川有加/竹内みどり)
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お菓子の旅 第25回 |
―― オーストラリアのお菓子 ――
〜ラミントン〜
In Hobart, late one night, in the kitchens of the casino, they saw a lamington on a plate. Hush closed her eyes and nibbled.
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今回はオーストラリアの絵本、『ポスおばあちゃんのまほう』(メム・フォックス文/ジュリー・ヴィヴァス絵/加島葵訳/朔北社)からラミントンをご紹介します。このお話は、ポッサム(フクロネズミ)が主人公。ポスおばあちゃんと孫のハッシュは、ある理由から魔法を解くために、人間の食べ物を求めて旅にでます。
ラミントンは、オーストラリアで定番のお菓子です。スポンジケーキをチョコレートにひたし、ココナッツパウダーをまぶします。ラミントンがいつからオーストラリアの名物となったかは定かではありません。もともとは古くなったスポンジケーキをおいしく食べようと工夫したのが始まりのようで、"Waste not, want not." という諺とともに語られることが多いようです。
名前の由来にも諸説あり、1895年から1901年までクイーンズランド州の総督を務めたラミントン男爵が、ケーキに似たホンブルク帽をいつもかぶっていたからという説が有力です。オーストラリアでは教会や学校などが、募金集めにラミントンを作って売ることを、"lamington drives" というのもおもしろいですね。
絵本にはこの他にもパブロバやアンザックビスケットやベジマイトなど、オーストラリア独特のお菓子や食べ物が登場します。透明感のある絵とともに、ポスおばあちゃんとハッシュのオーストラリア一周旅行もお楽しみください。
*-* ラミントンの作り方 *-* |
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★参考文献・ウエブサイト
"Day to Day Cookery" (compiled by I. M. Downes, Willim Brook, 3rd Edition) |
*-* スポンジケーキの作り方 *-* |
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読者の広場 |
―― ポーランドの児童書に関する情報 ――
先月の「ロシア語圏、および東欧圏の新しい児童文学はないだろうか」というご質問に、読者の方、poziomka(ポーランド語で「野いちご」という意味) さんより情報をいただきました。ご紹介します。
ポーランドでも、英米文学が多く読まれています。ハリー・ポッターの人気はこちらでも健在ですし、グリム童話、アンデルセン童話も定番です。しかし同じように、ポーランド作家の作品も多く読まれています。昔から長く読まれているのはヤン・ブジェフファという作家の作品で、子供向けの詩から童話まで幅広く読まれています。(日本では『そばかす先生の不思議な学校』という本が学研から出ていたようですが今は絶版になってしまったようです。)既に日本語に訳されているものでもう一つ私の好きな作品は、ルドヴィク・イェジイ・ケルンという作家の書いた『すばらしいフェルディナンド』、『おきなさいフェルディナンド』という作品です。ポーランドではそれぞれ1963年、1965年に書かれた古い作品ですが、今でも子供達に人気の作品です。ヤングアダルト分野に入るもので最近読まれているのは、マウゴジャータ・ムシェロヴィッチという作家の作品です。連作で、ポーランドの一地区を舞台に少女達の生活を描いたものです。日本でも田村和子さんという方が何冊か翻訳されています。 |
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発 行: | やまねこ翻訳クラブ |
発行人: | 西薗房江(やまねこ翻訳クラブ 会長) |
編集人: | 林さかな/西薗房江(やまねこ翻訳クラブ スタッフ) |
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